吉島で子育てをしている、一人の女性がいる。
名を、八谷 恵といった。
彼女は、吉島を変えたい、
と私に言った。
私たちには、ひとつの共通する過去がある。
彼女が英会話教室を自宅で開いていたときのことだ。
中学生だった私は、同じ敷地内のその英会話教室に通っていた。
私のいたクラスには、
私、そしてもう一人の女の子がいた。
2年ほど一緒に、大笑いしながら、刺激を受けながら勉強をしてきた。
その女の子は、おもしろくてさばさばした女の子だった。
その子は、学校でいじめられてから、人生を狂わされた。
最初は、男子3人組による言葉の暴力、それがクラス中にまで広がり、
女子、男子関係なく全員から無視され、中心となる男子3人組からは、釘を投げられたり、
靴に落ち葉を入れられたりと、陰湿ないじめを受けた。
やがて彼女は、教室に行かなくなった。
彼女が、音を立てて崩れていった。
深い傷を負いながら、
彼女は闇の中へと吸い込まれて行った。
結局私たちは、彼女を助けることができなかった。
私たちは、本気でその問題に向かい合わない学校を許すことができなかった。
それから4、5年という月日が流れた。
ある日、先生が言ってきた。
「子供たちが、吉島で育って本当によかったといえるような地域を作りたい」
と。
私は言った。
「やっとこの事業が動き出す時が来たんですね」
と。
実は、私が留学していた2年前、彼女は私の留学先までやってきて、
そのようなことを言っていたのだ。
私はもちろん大賛成して、その事業を一緒に取り組むと決めていた。
それが、今、本格的に動き出したのだ。
お年寄りと、子供と、全ての人が触れ合える地域。
吉島から、留学する人もたくさん出したい。
今、当たり前となっている学校の学級崩壊。
学校の力、政府の力を借りていたら何もできない、そう彼女は言った。
地域が学校を支えられるように、そうなっていこうと。
そこから始まった私たちの『吉島革命』
全ては、本当に素敵な地域の実現のために。
今立ち上がる。
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